中立に住宅を診断!ホームインスペクションってなに

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更新日:2024.04.16

ホームインスペクションとは

ホームインスペクションという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
これは既存の住宅を建築士などの専門の技術者が調査し、劣化や雨漏りなどの状況を報告する家の健康診断のようなサービスのことです。
新築のときには全てがきれいな建物も、何十年と済んでいれば当然いろいろな部分が劣化していきます。

外壁のひび割れなどは自分でも確認できますが、それが構造体に影響を与える劣化かどうか、ということまではなかなかわからないですよね。
やはり、プロの目で客観的に見てもらえるというのは安心です。似たようなものに、リフォームをするときに無料で行う「現地調査」というものがありますが、これはあくまでリフォーム業者が自社の工事を適正に行うためにする調査です。

どういうことかというと、例えば塗装屋さんが現地調査をすれば、判断するのは古い塗膜や、塗装ができる下地の状態かどうかなど、塗装に関する情報だけです。
したがって、塗装屋さんは現地調査で「バルコニーFRP防水のトップコート上塗りだけなら自分でもできそうだな」と思えば「ついでにお安くやりますよ」とトップコートの塗装の提案をしてくれるかもしれません。

しかし、塗装の下地の防水層もしくは構造材が傷んでいた場合でも、そこまで気づいて修理を提案してくれることまではなかなか期待できません。
本来、FRP防水のメンテナンスは防水屋さんの仕事で、その下地が傷んでいれば直すのは大工さんの仕事だからです。

つまり、インスペクションは「家全体の状態を第三者の専門技術者が客観的に診断」するのに対し、リフォーム業者による現地調査は「リフォームを行う箇所を確認する調査」なのです。
現地調査では基本的に自社がリフォームで対応できない箇所は確認しないといってよいです。インスペクションのほうが、より中立的、かつ客観的な報告をもらえます。

インスペクションでわかったことの例

・基礎部分にシロアリの通る道が見つかった
・配管周りに隙間があり、床下へ漏水する危険性があった
・バルコニーのビスがゆるんでいて、漏水の危険性があった
・玄関周りのタイルに浮きがあり、割れる可能性が高くなっていた
・天井裏の構造材にカビが発生していた
・屋根裏の断熱材が劣化していて、性能を発揮できていなかった

インスペクションの歴史

インスペクションは、もともと安心して中古物件を売買できるようにと整備されてきた歴史があります。
サービスは古くからありましたが、検査方法や技術者の技量などもバラバラで、その信頼性には多くの課題が有ったため、一昔前までは中古住宅の売買は当たり外れのある博打に近い買い物でした。

法律の整備で普及するように

そこで2013年6月には法律によって検査方法などのガイドラインが整備され、2017年2月には既存住宅状況調査技術者の講習制度を創出、2018年4月からは宅建業法により中古住宅の売買時にインスペクションの有無を説明をすることが義務づけられるなど、国を挙げて普及に力が入れられてきました。

こうして、インスペクションを利用すれば建物の状態を事前に判断することができ、不具合が見つかればリフォーム費用を予算に組み込んで物件を購入するなど、対策をあらかじめ検討できるようになりました。
そして同様に、リフォーム計画を検討するためにも大いに活用できるサービスとなりました。

リフォームにおすすめの調査

①点検口から床下へ侵入する詳細調査

シロアリの侵入経路となる蟻道や給排水管の漏水などを発見できる可能性も高まります。

②壁の中の断熱状況、断熱材の種類、暑さなどの調査

現時点での断熱性能を把握することができ、断熱リフォームの計画を立てるために役立ちます。

※参考文献:高橋みちる.2020. やらなければいけない一戸建てリフォーム. 自由国民社

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